写真芸術の時代
1999/01/31
松濤美術館で「写真芸術の時代」展。
大正10年(1921年)6月に東京に生まれた写真による新しい芸術を宣言するグループ「冩眞藝術社」。高等遊民とも呼ばれる彼らの活動は関東大震災までの3年たらずに過ぎなかったのですが、この間に展覧会と雑誌『冩眞藝術』で精力的に発表された彼らの作品は、時代のモダニズムを余すところなく反映しています。
「古きよき日本」といったノスタルジックな風景を期待してこの展覧会に足を運ぶと、彼らの意図を見誤ることになります。彼らの関心は何気ない日常の中で光が織りなす階調の微妙さに向いており、被写体自体の面白さには重きをおいていないと思われるからです。