塾長の鑑賞記録

塾長の鑑賞記録

私=juqchoの芸術鑑賞の記録集。舞台も絵も和風好き、でもなぜか音楽はプログレ。

パリ・オランジュリー美術館展

1999/02/06

Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷)で「パリ・オランジュリー美術館展」。

両大戦間の時期にアルバート・バーンズ(「バーンズ・コレクション」で有名)を顧客として大きな成功を収めた画商にしてコレクターのポール・ギョームのコレクションを公開しているオランジュリー美術館から、油彩画81点を出品。セザンヌ、ルノワール、マティスが充実しているほか、アンリ・ルソー、モディリアーニ、初期のピカソ、アンドレ・ドランなどが展示されて見ごたえがありました(右はモディリアーニによる《新しき水先案内人ポール・ギョームの肖像》)。

最初はオーチャードホールでのバレエの前に見ようと思っていましたが、14時半にBunkamuraに行ってみたら会場がある地下1階から3階まで長蛇の行列ができていて入場までに60分待ちとのことでびっくり。しかしバレエが終わった19時すぎにはさすがに人が減っていて、すぐに入場することができました。

▲セザンヌ《果物、ナプキン、ミルク入れ》(1880-81年)。セザンヌといえばりんごだが、この絵の中にもりんご同士の緊密な構成とテーブル面 / 壁との微妙な不均衡など重層的な緊張が構築されている。
▲モネ《アルジャントゥイユ》(1875年)。この展覧会で唯一のモネの作品。垂直に伸びるマストが鏡のような水面にも写ってモネにしてはかっちりとした印象を与える。
▲ルノアール《ピアノを弾く少女たち》(1892年頃)。柔らかいタッチとふくよかな対象がいかにもルノアール。
▲ピカソ《水浴の女》(1921年)。キュビズムの後に現れた新古典主義の様式による作品。ことさらに太くたくましく強調された腕や足が特徴的。
▲ルソー《婚礼》(1904-05年頃)。人物のグロテスクな表情とデフォルメされた植物の違和感はルソーならでは。
▲ドラン《アルルカンとピエロ》(1924年)。ギョームはドランの作品を好んで収集していた。