スペイン国立バレエ団
1999/09/23
スペイン国立バレエ団を新宿文化センターで1年ぶりに観ました。開演14時、終演16時20分。演目は以下の通りです。
ポエタ | 女 :アイーダ・ゴメス 男 :ルイス・オルテガ 詩人:ルベン・オルモ 友人:マリベル・ガジャルド 敵 :クリージョ |
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セビーリャ・デ・アルベニス | ヘンマ・バレーダ |
グリート | マリベル・ガジャルド クリージョ ダビド・トーレ ルイス・モリーナ ヘスス・コルドバ |
ボレロ | エレナ・マルティン サウロ・ガリード |
ポエタ
開演前から会場に潮騒の音が流れはじめ、やがて暗くなって幕があくと舞台後方のスクリーンには波が寄せては返す海の映像が写し出されて「ポエタ」開始。海に向かって立つ詩人、コールの踊り、恋人たちの踊り。戦争のカオスの男たちの出現と吊るされる詩人、翻弄され連れ去られる男。そして平安が訪れ、詩人、ついで男が戻ってフィナーレ。約1時間の間にこうしたイメージが踊られます。音楽はギタリストであるビセンテ・アミーゴの組曲「ポエタ」。美しいオーケストラの弦楽の響きと激しいリズム、緩急自在のギターが印象的でした。装置も斬新で、上からシルバーのバケツを連ねたようなセットがおりてきてそこに水がしたたったり、舞台の上の段がチェーンでまくりあげられて巨大な壁と化したり、白いカーテンを丸めた中を詩人が上から下りてきたり、と驚かされます。ダンスも全体に柔らかくて優しく、フラメンコ的というよりバレエ的。音楽・舞踏・装置の全てが一体となった感動的な作品でした。音楽はCDも出ているようなので、ぜひ購入したいもの。
セビーリャ・デ・アルベニス / グリート
休憩の後は、まず短い「セビーリャ・デ・アルベニス」。女たちのカスタネットを使った群舞と男たちの踊り、裳裾を長く引いたソロの女性が実にかっこいい。
続いて昨年も見た「グリート」。前回は体調不良でじっくり見る余裕がありませんでしたが、今回は大丈夫です。舞台後方に歌い手3人・打楽器2人・ギター2人を置いたこの作品は全4曲からなり、椅子に座った3人の男性舞踏手が印象的な照明に導かれるようにして次々に踊る二曲目のソレアが特に印象的でした。
ボレロ
この曲に関してはベジャール振付のバレエの暴力的な踊りが脳裏に焼き付いているので、情熱的なはずのスペイン舞踏でも上品に見えてしまいます。スモークが派手に焚かれ、ライティングが非常に美しい演出でしたが、スモークマシンの音なのか蒸気音のようなノイズが気になったのはちょっと残念でした。