ヤン・アルテュス=ベルトラン展 空から見た地球

2000/07/01

Bunkamuraザ・ミュージアムでヤン・アルテュス=ベルトランの写真展「空から見た地球」を見ました。作家は1946年フランス生まれ。ライオンの研究をするために移住したケニアで気球から見た自然の美しさに気付き、航空写真家に転じたという経歴の持ち主です。

会場には200点もの写真がパネルになって展示されており、その物量に圧倒されます。最初は風景写真だけかと思って会場に入ったのですが、ほとんどばらばらとも思える様々なモチーフの写真が無造作にちりばめられている感じで、最初は展示プランに疑問を感じました。しかし、歩いているうちにいくつかの共通する主題が見えてきて「なるほど」とうなずけるようになり、最後に図録を買うとそれが、純粋な自然の営み / 自然と文明の関わり / 人類の歴史的遺産 / 都市 / 農業 / 自然破壊といったものであることが分かる仕掛けでした。

《支柱の上に乗ったトンキルの村》(フィリピン、サマレス群島)。海中に支柱を立て、その上に住居を設けて甲殻類や真珠貝の採取などで生計をたてる人々。
《隕石孔のゴスの絶壁》(オーストラリア)。直径5km、高さ1.5km。1億3500万年前の隕石落下の跡。
《アデリー海岸沖の氷山》(南極)。会場でこの写真を間近に眺めて、中央の割れ目の右側にけし粒よりも小さな人間の姿を発見したとき、氷山の大きさに気付いて驚きました。しかも、海中にはこの何倍もの体積が隠されています。
《ヌアクショット近郊のラクダのキャラバン》(モーリタニア)。サハラ砂漠の隊商や乾燥した都市は、数多く取り上げられているモチーフです。