エドワード・ホッパー展
2000/08/19
Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷)で「エドワード・ホッパー展」。
この展覧会は20世紀アメリカ絵画の巨匠エドワード・ホッパーの画業を、ニューヨークでの美術学校とパリ外遊時の小品群、商業イラストレーターとして活躍しながら発表し彼の評価を高めた数々の版画、同時期にたびたび訪れたニューイングランドの海岸と街並の水彩画・油彩画、そして彼の声価を高めた印象的な「都市・孤独・光」の作品群に分類して展示するものです。
都市や郊外の情景を大胆な構図でジャーナリスティックに切り取ったようなエッチングの数々も素晴らしかったのですが、やはりお目当ては最後のコーナーでの都市生活の断面を描いた作品群です。とりわけ《真昼》のシュールとさえ見えるような乾いた、しかし柔らかい陽光の表現や《哲学への道》でのなんとも居たたまれない疎外感はホッパーの真骨頂。
体系的にホッパーの画家としての歩みを再現したわかりやすい展示でしたが、やはり最後のコーナーはもう少し充実した展示点数だったらと思いました。とりわけ、ホッパーの代表作《ナイトホークス》(または《夜更しをする人たち》)が含まれていなかったのは残念でした。