世界四大文明 エジプト文明展

2000/09/23

東京国立博物館(上野)で開催されている「エジプト文明展」へ行ってきました。この日京都へ行くというのにわざわざ上野へ出向いたのは、「エジプト文明展」だけ会期が短くあと1週間しか余裕がないから。高校時代はずいぶん興味をもってエジプト文明やメソポタミア文明について勉強したことを思い出しながら会場に着くと長蛇の列で、入館まで40分待ちとの立て札にげっそりとなりましたが、実際はその半分くらいの時間で中に入ることができました。

展示品はパレットや像、レリーフなどの他、エジプトならではのカノボス壺(ミイラを作るときにとりだした内臓を収める壺)といった出土物が古王国時代から中王国時代、新王国時代、末期王朝時代と年代順に並べられ、最後のコーナーに黄金製品が集められているという構成で、エジプト古代史にある程度の予備知識があれば非常にわかりやすいつくりです。

また、例えば古王国時代の座像などは今から4500年も前にこれだけ緻密な身体表現が可能となっていたことに感銘を受けましたが、一部の例外を除けば展示品は全体に思ったより小ぶりで、それこそ芋の子を洗うような混雑の会場ではとてもゆっくり鑑賞する気になれませんでした。それにエジプト文明の栄華を最もよく示すのはやはりピラミッドや各種神殿に代表される巨大建築物ですが、それらはもちろん博物館のサイズに収まるようなものではありません。

結局、時間がなかったこともありざっと駆け足で見て回っただけに終わりましたが、エジプトを再訪したいという気には十分させられる展覧会でした。

  • ▲メンカウラー王のトリアド。古王国第4王朝時代(2610-2490B.C.)。緻密な身体表現は驚異。
  • ▲アクエンアテン王の立像の上部。新王国第28王朝時代(1565-1310B.C.)。高さが2mほどある巨大なもの。
  • ▲プスセンネス1世の黄金のマスク。第3中間期第21王朝時代(1070-945B.C.)。うしろからマスクの内側を見ることができる。
▲神官アメン・エム・ペルムトの彩色木棺と内蓋。第3中間期第21王朝時代(1070-945B.C.)。彩色が鮮やか。