John Wetton
1997/10/04
渋谷クラブクアトロで、John Wettonのライブ。小さい会場なのでアコースティックライブになるのではないかと少々心配していましたが、会場に入るとドラムやキーボードがセットしてあり、安心しました。しかし、ほぼ全席立ち見の会場は開演30分前の17時半には既に満員に近い状態になっていました。
すぐれたベーシストでありヴォーカリストであるJohn Wettonとのつきあいは、中学3年生の頃に学校の部室でKing Crimsonのアルバム『Larks' Tongues in Aspic』(邦題『太陽と戦慄』)をテープで聴かされて以来ですから、既に20年以上の長きに渡っていることになりますが、今日の聴衆の多くも、どの曲に対しても素早く反応するところを見ると、私同様King Crimsonからソロまで一貫して彼を追い掛けているのでしょう。
定刻に始まった演奏のオープニングは、新譜『Arkangel』から「The Last Thing on My Mind」。元気のよい曲を数曲こなした後にキーボードソロのコーナーがあり、次いでアコースティックセットがしばらく続きます。その後は、ドラムソロも交えた怒濤の演奏が繰り広げられました。
前回の来日時と比べても見た目にはっきり太ってしまったJohnは、白いダブルネック(上が12弦ギター、下がベース)を巧みに操り、声の調子も良好です。帯同しているミュージシャンは、ステージに向かって左にギターのDavid Kilminster、後ろがドラムのThomas Lang、右がキーボードのJohn Young。キーボードとドラムにソロのコーナーが設けられていましたが、特にThomas Langのドラムソロは凄まじく、豊富なシンバルとツインペダルを多用した手数足数の多い白熱のソロに会場は興奮の坩堝と化しました(ニフティのフォーラム「プログレ隔離室」でも彼のドラミングに関するコメントツリーができたほど)。ギターのDavid Kilminsterも、要所でライトハンド奏法を駆使した早弾きを披露し、コーラスでも活躍しました。
2時間近いステージは、一部チューニングが甘いように思えるところもありましたが、演奏水準の際立った高さと楽曲自体の素晴らしさとで文句のない出来映えとなりました。アンコールは一回目が「Heat of the Moment」と「Starless」、アンコール二回目=ラストが「Don't Cry」。サビの大合唱で盛り上がり、大満足で会場を後にしました。
ミュージシャン
John Wetton | : | Vocals / Bass / Guitar |
David Kilminster | : | Guitar / Vocals |
John Young | : | Keyboards / Vocals |
Thomas Lang | : | Drums |
セットリスト
- The Circle of St. Giles - The Last Thing on My Mind
- Sole Survivor
- I Can't Lie Anymore
- Battle Lines
- Keyboard Solo
- Arkangel
- Emma
- The Smile Has Left Your Eyes
- The Night Watch
- 30 Years
- Hold Me Now
- Only Time Will Tell
- Rendezvous 6.02
- Drum Solo
- Easy Money
- In the Dead of Night
- After All
- - Heat of the Moment
- Starless
- - Don't Cry