パスカル・ロジェ〔ドビュッシー / サティ / 吉松隆〕
1997/10/14
所有する数少ないピアノ作品のCDであり、それでいて10年近くにわたって数え切れないくらい聴き返している『PASCAL ROGE PLAYS DEBUSSY』(邦題:亜麻色の髪の乙女 / ロジェ・ドビュッシー・ベスト・アルバム)のピアニスト、パスカル・ロジェのリサイタル(於:紀尾井ホール)。
CDではドビュッシーの「前奏曲集第一巻」「ベルガマスク組曲」「夢」「2つのアラベスク」が演奏されていましたが、今回のリサイタルでは以下の曲が演奏されました。
ドビュッシー | ベルガマスク組曲
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サティ | 悲しい道化師の小品 / スポーツと気晴らし / 操り人形は踊っている / 愛撫 |
ドビュッシー | ピアノのために |
(休憩) | |
ドビュッシー | 2つのアラベスク |
吉松隆 | 球形のロマンス / 間奏曲の記憶 / リーフレット・ダンス / 真夜中のノエル |
サティ | メデューサの罠 / ゆがんだ踊り / 幻想曲 - ワルツ / 貧者の夢 |
ドビュッシー | 喜びの島 |
オープニングのベルガマスク組曲「前奏曲」は最も好きな曲の一つ。この夜のプログラム全体のプレリュードとしての荘厳な響きが感じられました。前半のサティは、曲調の単調さもあり私にとっては集中力の持続に困難を感じましたが、後半の手なれたアラベスクに続く吉松隆の曲がいずれも美しく、そのまま一気に終曲までなだれ込みました。アンコールはプーランク、サティ、最後にドビュッシー(「亜麻色の髪の乙女」)。
私が持っているCDは1977-78年の録音なので写真のロジェも若々しい(1951年生まれ)のですが、現在のロジェは、年齢相応の落ち着きの中に、慎ましやかながらゆとりと自信が感じられる風貌でした。
またこの日の収穫は、初めて聴いた吉松隆の作品の素晴らしさです。少し追いかけてみたいと思いました。
後日(1999.03)吉松隆の『プレイアデス舞曲集』を購入(演奏・田部京子)。愛聴盤の一つとなりました。