塾長の鑑賞記録
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塾長の鑑賞記録

Toto

1999/04/17

東京国際フォーラムでTotoのライブ。

80年代の西海岸を代表するロック・グループのひとつであるTotoは、名曲「Rosanna」や「Africa」を含む4作目の『Toto IV』(1982)でグラミー賞七部門を獲得した頃をバンドの頂点としていましたが、この作品を最後にオリジナル・ヴォーカリストのBobby KimballとベーシストのDavid Hungateが脱退してから今まで、自分にとってはあまり近くない存在となっていました。この間、ヴォーカリストのポジションを巡るごたごたに加え、1992年にドラマーのJeff Porcaroを事故で失ったときはバンド存続の危機を迎えましたが、その後任にSimon Phillipsを迎えるという予想外の人選で再生。そんなTotoの今回のツアーは、今年発表された最新作『Mindfields』で復帰したBobby Kimballの参加が目玉です。

昨年のJourneyのライブでは同じ会場でも2階席でしたが、今回は1階席の中ほど右寄、まあまあの位置でステージ全体を見通すことができました。メンバーの配置は、フロントが向かって左からキーボード(David Paich)、ギター(Steve Lukather)、ヴォーカル(Bobby Kimball)、ベース(Mike Porcaro)。後ろは中央にドラム(Simon Phillips)、その向かって右手にサポートのギターとヴォーカル。定刻を10分ほど過ぎた17時10分に会場が暗くなって歓声が上がり、シンセ音が鳴り響くなかメンバーが入場してくるといきなり会場が総立ちで手拍子。ド迫力のドラムのフィルがいくつか入った後で新作からの「Caught in the Balance」がオリジナルよりもハードにアレンジを変えてスタートしました。

その後も新作からの曲が予想外に多く、一方懐かしい曲としては「Rosanna」「Mama」「99」「I Won't Hold You Back」「A Million Miles Away」などが披露されました。本編の最後近くに演奏された「Africa」で会場は異様な盛り上がりを見せ、「White Sister」で本編が終わった後、アンコールの1回目は「Child's Anthem」「Girl Goodbye」。2回目のアンコールが彼らのエンディング・テーマとなった感のある「Hold the Line」。全体で2時間半の長いコンサート中、私も含め大半の聴衆が立ちっぱなしでステージに声援を送り、メンバーも素晴らしい演奏で応えたコンサートでした。

ステージの後方のスクリーンには曲に応じてさまざまな映像が流され、その中央には演奏中のメンバーの姿が映し出されて臨場感を盛り上げていたほか、アンコール時のメンバー紹介ではSpice Girlsのセクシーな写真にサングラス・黒髭のSteve Lukatherの顔が合成された映像が大写しにされて大受け。ライティングもセンスが良く、音も特にギターソロとドラムがクリアに聞こえて迫力がありました。

ドラムといえば、Simon Phillipsは今回も期待以上のテクニックを見せつけてくれました。開演前、我々の右に座っていた観客がSimonのことを「手さばきの神様!」と熱っぽく語っていましたが、実際にドラムソロが始まるとその超絶技巧に後ろの方から「一体何がどうなっているんだ?」と驚きの声があがる始末。一方、期待と心配が半々だったBobby Kimballのヴォーカルは高音がまあまあ出ていましたし、彼自身オーバーなまでのアクションで聴衆を盛り立てていました。また、ギターのSteve Lukatherは例によって四割くらいの曲でリード・ヴォーカルをとったほか、さまざまなジョークを飛ばしたり、缶ビールの一気飲みや飲みかけのビールを前列の聴衆に手渡ししたり、「Girl Goodbye」ではギターをかかえたままステージを下りて、左手から客席の1階真ん中の通路まで出張してきたりとサービス精神をフルに発揮してくれました。「Child's Anthem」ではギターソロに入ろうとした瞬間に弦が切れたかチューニングが狂っていたかのトラブル。両手を広げて嘆いて見せましたが、かえって予期せぬアクシデントを聴衆も楽しんでいたように見えました。

ミュージシャン

Bobby Kimball vocals
Steve Lukather guitar, vocals
David Paich keyboards, vocals
Mike Porcaro bass
Simon Phillips drums
Tony Spinner guitar, vocals
Buddy Hyatt vocals
John Jessel keyboards, vocals

セットリスト

  1. Caught in the Balance
  2. Tale of a Man
  3. I Will Remember
  4. Rosanna
  5. Guitar Solo
  6. A Million Miles Away
  7. Mad About You
  8. Jake to the Bone
  9. Drum Solo / Dave's Gone Skiing
  10. Out of Love / Mama / 99 / You Are the Flower / The Road Goes On / I'll Be Over You(Acoustic Medley)
  11. Better World Parts I,II & III
  12. I Won't Hold You Back
  13. Cruel
  14. Africa / Keyboard Solo / White Sister
    -
  15. Child's Anthem
  16. Girl Goodbye
    -
  17. Hold the Line

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