塾長の鑑賞記録

ロバート・キャパ賞展 20世紀と人間

2001/04/15

東京都写真美術館で「ロバート・キャパ賞展 20世紀と人間」を見ました。

報道写真家ロバート・キャパ(1913-1954)は、スペイン内戦で兵士が銃弾に倒れる決定的瞬間を撮った《崩れ落ちる兵士》(1936年)で一躍時代の寵児となり、連合軍のノルマンジー上陸作戦やパリ解放などを報じ、戦後はピカソをはじめ各界の名士と親交を深め、そしてインドシナで地雷に触れて死にました。その死の翌年、1955年にキャパの業績を称えてアメリカ海外記者クラブとライフ社が創設した賞が「ロバート・キャパ賞」であり、この写真展はキャパ賞受賞者の作品を一堂に集めた初めての展覧会(企画構成:東京富士美術館)。34名の男女写真家の写真・資料約240点及びキャパ自身の作品で構成されています。

ここでは、スペイン内戦から第二次世界大戦、東欧動乱やベトナム戦争、北アイルランド紛争、チリのクーデター、さらにアフガニスタン、南アフリカ、湾岸地帯、ソマリアなど世界各国での戦争の現場と、そこでの兵士や一般市民の生と死の瞬間が切り撮られています。日本人カメラマンも何人も殉職しているベトナム戦争やカンボジア内戦関係の写真はとりわけ質量とも充実しており、東南アジアをたびたび訪れている自分には興味深い内容でした。

なお、この展覧会のタイトルは「20世紀と人間」とされていますが、上のフライヤーにあるように英題は「Inhumanity and Humanity」です。確かにそのままでは日本語に訳しにくく、また21世紀に入った最初の年に過去を振り返るというこの展覧会の内容からすれば「20世紀と人間」にも意味があると思うものの、やはり英題の方に言葉の重みを感じないわけにはいきませんでした。