ホアキン・コルテス
2000/10/15
フラメンコ・ダンサーの枠を超え、世界中の女性の視線を釘付けにするスーパーダンサー、ホアキン・コルテスの「Soul」ツアーを、東京国際フォーラムで観ました。会場は予想通り8割方が若い女性で占められ、また外国人の姿も目立ちます。定刻の14時を10分ほど回ったところで会場が暗くなり、激しいパーカッションの音で舞台が幕を開けました。
1969年コルドバでジプシーの家系に生まれたホアキン・コルテスは、スペイン国立バレエ団で才能を知られるようになり、独立後はフラメンコに限らずさまざまな舞踏団と競演。現在はニューヨークを拠点に自身のカンパニーを率いて世界を回っており、今回の「Soul」は1999年10月のバルセロナでの初演の後スペインからヨーロッパ諸国を経て日本にやってきたものです。
カンパニーの構成は、女性ダンサーと男女の歌い手が数名ずつ、ギター、パーカッション、ヴァイオリンが複数、それにフルート、ベース、キーボードといったところ。全体がいくつかのパートに分かれており、女性ダンサーたちの群舞とホアキン・コルテスのソロが交互に演じられて、その間にギター独奏や歌がはさまれる進行になっています。
ホアキン・コルテスは、アルマーニのスーツでびしっと決めたり、上半身をあらわにして肉体美を強調したりと変幻自在。動きがきびきびとしていて無駄がなく、彼のトレードマークである激しいサパテアードと華麗なブエルタ(回転)で観衆を挑発してみせるところはいかにもカリスマダンサーです。演奏陣ではパーカッションとギターが特によかったのですが、キーボードの男性がエレクトリックギターも兼ねていてタッピングばりばりのロックギターを弾いたのには驚きました。そして音響や照明はロック・コンサートのそれと同様に作りこまれたものですし、舞台の左右には大きなスクリーンが吊り下げられて舞台上のホアキン・コルテスを大写しにするなど、ショーアップもそつがありません。
こんな具合に2時間ちょうどのステージは盛り沢山で、最後は大盛り上がりのスタンディングオベーションになりました。