Planet X
2000/10/16
Planet Xのライブを渋谷のON AIR WESTで。彼らのバンドとしてのデビュー作『Universe』のプロモーションで、日本で一夜限りのライブです。
Dream Theaterの2代目キーボーディストDerek Sherinianのソロ・プロジェクトからスタートし、正式メンバーにギターのTony MacAlpine、ドラマーにVirgil Donati、ツアーサポートにSteve Morse BandのベーシストDave LaRueを加えた4人編成で来日したPlanet Xのステージは、後列中央にドラムセット(多数のシンバルに加えハイハットの左にもフロアタムとピッコロスネアを設置している模様)、下手にギター、中央にベースの立ち位置を置いて、上手にキーボードが並んでいます。Derekから見て右側=舞台の中央側にはKORGのCX-3が置かれ、客席側には観客から指づかいがはっきり見えるように斜め45度にたてかけたTriton(76鍵)と、その上にTrinity(61鍵)の2台のKORGシンセサイザー。足下にはTaurusベースペダルが鎮座し、後ろではレスリーのロータリースピーカーがくるくる回っているのが見えています。実は客の入りが意外に悪く、オールスタンディングなのに開場15分後に入場して「これは後ろの方になるだろうな」と思っていたらほぼ最前列、Derekを左前5mに見る絶好の位置につけることができたおかげで、機材の様子がばっちりわかりました。ちなみに待ち時間の間中、BGMに流れていたのはなぜかKansasでした。
開演時刻の19時すぎにメンバーが入場。最初の曲は『Universe』のオープニングナンバーである「Clonus」ですが、とにかく爆音で鼓膜が音圧に押し付けられるようです。実はここから先、恥ずかしながらどの曲がなんという名前か予習不足でわからなかったのですが、後でCDを聞き直してみると「そういえばこれもやったな」という感じで、当たり前といえば当たり前ですが『Universe』からの曲が大半だったようです(←後日セットリストを入手しました)。
初めて見たDerek Sherinianは細身のパンツに黒い丸首のセーター、短髪でサングラスを頭の上に乗せ、写真通りの一見邪悪な顔だち。期待の速弾きは両手を巧みに組み合わせて弾くことが多く、そうかと思うと左手でベンドやモジュレーションをかけながらくねくねと指を踊らせていずれも想像以上に速く、まるで手が4本あるように見えることもありました。またオルガンを弾くときには小刻みに足下のスイッチでレスリーのオン / オフを切り替えており、爆音にもかかわらずキーボードの音色が適切に伝わってきていました。途中からKissのTシャツに着替えてきたのは、彼がKissのツアーサポートをした経験があるからなのでしょう。
Tonyは細かい木目が美しいブラウンの7弦ギターで、スウィープ・ピッキングにタッピングを絡めたテクニカルな高速フレーズは信じられないくらい滑らかです。次にトラディショナル・グリップが特徴的なドラムのVirgilは、変拍子だかポリリズムだかスリップビートだかわからなくなるようなフレーズを連発。もっと素直にノレる叩き方をしてくれ〜!という感じですが、たっぷり15分は続いたソロコーナーは圧巻でした。Daveのベースは青い5弦のStingrayで、ソロはちょっとおとなしかったのですが、途中で見せたギター / シンセとの高速ユニゾンは壮絶。しかし、途中でそのDave LaRueが他の3人についていけなくなって両手を広げる場面もあったほどの容赦ないプレイの応酬に、見ているこちらが圧倒されました。
各人のソロを交えながらいったい何曲演奏されたのかもわからなくなっていき、アンコールではお約束のギターとシンセの掛け合いも見せつつ全体で1時間半のライブ。外に出たときには案の定、耳がキーンと鳴っていました。
ミュージシャン
Derek Sherinian | : | keyboards |
Tony MacAlpine | : | guitar |
Virgil Donati | : | drums |
Dave LaRue | : | bass |
セットリスト
- Clonus
- Space Martini
- The Pump
- Inside Black
- Warfinger
- Bitch
- Keyboard Solo
- Apocalypse
- Lost Island
- Guitar Solo
- Her Animal
- Bass + Drum Solo
- Dog Boots
- Europa
-- - Pods of Trance