Bozzio, Mastelotto, Levin with Holdsworth

2008/11/27

Terry Bozzioと言えば、Frank Zappaバンドのドラマーとして一時代を画した存在。そこでの縁でEddie Jobsonに誘われてトリオ編成のU.K.に参加し、このときの来日(1979年)で私自身もその超絶的な演奏を目の当たりにしています。

そんなわけで、今日はSTB139(六本木)でTerry Bozzioのライブ。U.K.の後も、彼はJeff Beckと組んだり自身のツアーでこれまでにも何度か来日していますが、私自身が彼の生の姿を見るのは上述のU.K.以来ほぼ30年ぶり。今回の来日での彼はさまざまなフォーマットでの演奏を試みており、Billy Cobhamと組んだりTom Costerと組んだり神保彰と組んだり(題して"JimBozzio"。トリガーで「Black Page」を演ったらしい……)。そしてこの日は、King Crimson人脈のPat MastelottoとTony Levin(当初Trey Gunnが予定されていたが変更)、さらにあのAllan Holdsworthも加えてのカルテット。よくこんなブッキングを実現できたものだな。アンドフォレスト・ミュージック、恐るべし。

さて、Terry Bozzioと言えばその要塞のような巨大ドラムセットがあまりにも有名。果たして今日の会場に彼のセットは入りきるのか?(ましてやドラマーが2人もいるわけだし)と心配しながら会場に向かったのですが……。

まさか、本当にこのセットを持ち込むとは!隣のPatのセットがまるでおもちゃのように見えてしまいます。と思っていたら、さすがにこれだけのセットをいちいち運ぶのは大変らしく、日本を含むいくつかの国にドラムセットが備蓄されているのだそうな。

演奏の方は最初から最後まで、4人によるインプロヴィゼーション。最初が45分、休憩をはさんでまた45分、最後にアンコールが10分ほど。おおむねPatが基本セットにエレドラを交えてリズムの主導権をとり、Tonyのアップライトベースまたはスティックとの組み合わせで曲の骨格を形作った上で、Allanのギターが浮遊系のコードに時折饒舌なソロをかぶせ、Terryがタイコや金物で自由に遊ぶという感じ。Terryは超絶技巧を誇示するというよりは息を合わせながらムードを醸し出していくというタイプの即興演奏が続き、もっと手数足数を出してくれてもいいのにと思うことも多かったのですが、アンコールではスイッチオンになったようで、ド派手なシンバルワークを披露してくれました。PatはKing Crimsonで、TonyはKing Crimsonとソロでも見たことがありますが、相変わらず職人技というかプロというか、好きなように楽器を操るさまはさすが。そして、ちょっとリズム隊についていけなかった感はありましたがAllanの左手はやはり凄い!ソロでは自由自在に薬指と小指が動き、コード弾きでもなんとも異様なヴォイシングを見せて別世界のギタリストという感じです。

演奏終了後は、サイン会。会場で購入したTerryのCDに4人のサインをもらい、握手までしてもらいましたが、とりわけTerryの親しみやすい笑顔がすてきでした。

さらに、アンドフォレスト・ミュージックでチケットを購入した客には、下の写真のプレゼントがありました。こちらにサインをもらった方がよかったかな……。

ミュージシャン

Terry Bozzio drums, percussion
Pat Mastelotto drums
Tony Levin bass, chapman stick
Allan Holdsworth guitar